Side Kick
2008-11-27 11:42
前回のカタナつながりというわけでもありませんが懐かしバイク。
GS650Gもカタナっちゃカタナですが、ここは「GS650G」と「GSX1100S=カタナ」で区別します。
GS650G。特にサイドカバーがカタナの乱暴なものに比べ、丁寧な印象の造形です。フレームを意識して合わせたラインなんですね。
対してカタナのサイドカバーは、フロントカウルからの外装の流れの勢いでまとめてる、サイドカバー下からのぞくフレームのラインは無視して。しかし、それはそれで青竹の試し斬りってあるじゃん、日本刀の。フレームのラインをシャープなスタイリングでバッサリ、って感じもあったりしますが考え過ぎですか。カタナのサイドカバーは後端も切りっぱなしで、斬新ではあるけれどデザイン的には雑っちゃ雑ですよね。
写真は、意外と「こんなのもあったのか」と思われるかもしれない、フロントカウルを装着された最終型GS650Gです。
丁寧とはいえサイドカバー下部が重い印象なので車体全体が重い感じに見えるんだけど、シートやテールカウルの造形はカッコイイし凝ったものだったりしますよ。

デザイン画では、カタナはシートタンデム部分の座面が一段下げられて描かれていましたが (量産車で修正された)、GS650Gはデザイン画の段階で量産車同様にシートストッパー部がきちんと描かれておりスポーツバイクらしさが誠実にデザインされていました。「Car Styling 73」のターゲット・デザイン特集で、それぞれのデザイン画とモックアップモデルを見る事ができます。
GS650Gは大容量のタンクとシャフトドライブというツアラー色で「地味なカタナ」の印象が強かったけど、シートに合わせアクセントとして各部に赤を配色したセンスは粋です。
フロントカウルもカタナに比べると立った形状で地味ですが、BMW R65LSを連想させます。ライト上側のカウル形状を凸にし、ナックル部分を一段下げるのはムート的な造形処理です。うまく車体に合わせてますね。
最終型で良質なスポーツツアラーとして完成された感じもあるのですが、結局不人気車に終わりました。生産期間は’81年から’83年の3年間、2年目でも燃料計追加等の良心的なマイナーチェンジが行われ、スタイリングもそうだけどドイツ車的な印象のバイクでした。
DOHC2バルブ、STDCCエンジンで65ps/9,500rpm。558,000円。
Back Streets Of Tokyo
2008-09-03 12:50
店には古いバイク雑誌 (おれが好きな時代、主に’80年代が多い) が置いてあり、なかなか好評なのですが。
来るお客さんは、おれと同年代、40歳前後の方が多いのだけど「ああ、こういうのあったよなぁ」「初めて乗ったのがコレだった」などと盛り上がります。
そういや10代の頃ってそんなだったよな。学校の教室で、みんなであーでもないこーでもない、バイク雑誌見て言ってました。
で、そんな時代を知っているお客さんが昔の雑誌を持って来てくれました。これはうれしい。
その内の1冊が1985年発行の「モト・ライダー増刊 26th東京モーターショー速報」。
眺めてて、ちょっとグッときたのがスズキの「GSX400X IMPULSE」。当時もH.ムートデザインというだけで、おれ的にオッケーだったバイクですが、今あらためて見るとスゴいカッコイイ。
カウル付きのもじっくり見ると、おれ的にど真ん中な感じで。今までカウル側面の網付きの穴にばかり目がいってたんだけど、キャラクターラインがとても美しい。余計なボリュームを抑えつつ表情と動きがあり、エッジで緊張感を与えてます。
そういや車体もエッジの効いたスタイリングで、細部までとても凝ってますね。カウル、うまく車体に合わせてる。カウルは社内デザインだったらしいけどムートもさすがに口出してたんじゃないかな。
でも網は要らない気がする、フレーム色が見えちゃうからか? せめて黒の網にすれば良かったのに。

当時他社はカウルレスバージョンが廉価版な位置付けで、とりあえずカウル外しました的な処理が多かった中、IMPULSEの場合はカウルレスがベースとしてまずデザインされたんだろうから当然と言えば当然だけども、ライト周りもしっかりデザインされてます。つーか、コレの場合ライト周りが見所だからな。
「デザインコンセプトは六本木」という、いわゆる東京タワーIMPULSE。
スタイリング重視なバイクの楽しいところは、デザイナーのこう言ったモチーフであるとかの話があるところです。「ああ、そう言えば」とか「なるほどなぁ」とか眺めていろいろ考えられる。乗る楽しみの他に、見ても楽しめる。
丸パイプフレームならさらにカッコ良かったんだろうけど、角だから東京タワーなんだろうな。
発売時はレーサーレプリカ全盛の頃で性能的には特別なものは無いけど必要充分、このバイクはスタイリング勝負だという気持ちがビンビン伝わってきます。斬新で売れなかったバイクは迷車などと言われますが思想があるのが名車。本流にはならなかったけど、間違いなくこれは名車と言えるでしょう。
スズキのカウルレスモデルは洒落たものが多かったな、初代IMPULSEも良かったし後に続いたBanditも洗練されてた。なもんで3代目のIMPULSEは、あまりに普通でガッカリしたな。やっぱ’80年代のバイクは面白かったですよ。
My Way (I Killed The Cat)
2008-07-19 13:35
カタナです。というか、GSX750S。国内版のカタナ。
あえて750の紹介です。いつのまにか、オリジナルが1100だという事で「ブサイク」と決められてしまってますが、そんな事はない。
ハンドルにしても耕耘機などと揶揄され、1100の低いハンドルに交換するのがお約束でした。
カタナは目立つスタイリングなだけに、改造に厳しかった当時にはハンドルを交換した750を狙った取り締まりが行われ「カタナ狩り」と呼ばれました。
しかし、今見るとこのアップハンも味わい深い。良い味を出してます。
1100でも後にバーハンドル化するのが流行ったけど「ハンドルアップしたけりゃカタナなら750の着けときゃいいじゃん」なんて思ってました。
カタナが発表された当時は、逆輸入車なんてまだ一般的じゃありませんでした。
750の広告写真で、そしてときどき見かけた750の実車で確かにおれたちは興奮していたはず。個人的には車種を問わず低いハンドルが好きなおれなんだけど、1100のハンドルがカッコ良くて750がカッコワルイってのは「みんながそう言うから…」って感じだったんじゃないかなぁ。
や、実際1100のハンドルの方が好みですよ。おれは。
ただ、深く考えずなんとなく換えてた人が多かったんちゃうかと。じゃなきゃ後のバーハンドルブームはなんだったのかと。
おまえら自分で「これがカッコイイ」と判断してイジってんのかと。
バーハンドルブーム時にはもう、走ってるバーハンカタナを1台1台止めて詰問する「個人的カタナ狩り」を実施しようかと思ったくらいですよ。
750発売時のスクリーンもカウル下のフィンも無い姿は、こちらの方がむしろプロトタイプに近いスタイリングです。
もちろん、ハンドルは1100の方がプロトタイプに近いんだけど。
今、カタナに乗ってる人。ま、1100がほとんどだろうなぁ。
スクリーンとフィン、外しちゃえよ。いや、あなたが「その方がカッコイイ」と思えばですけど。
うまくまとめられませんが、要するに、みんながやってるからという理由でなんとなく改造してんじゃねーよ、自分自身がカッコイイと思い、その理由があるんだったらやっちゃえよ、て感じ。
カタナ、スタイリングはもちろん素敵なバイクですが、改造について考えさせられるという点でも存在価値の大きなバイクでした。
GSX750S「KATANA IN JAPAN」1982年発売、598,000円。
Street Fighting Man
2008-06-27 15:55
懐かしバイク。ガンマです。レーサーレプリカと呼ばれるバイクのハシリです。
前モデルはRG250Eになるのか、RG250Eはオーソドックスなスタイルのバイクだったので、後継機種としてこんなのが出ちゃって当時はもう。
「うわ、やべぇレーシーなカウルが着いてるし!」
「すげぇフレーム、アルミかよ!」
「45馬力も出てるんすか!」
「こんなので街を走っていいのか!?」
と、誰もが思ったものです。
いや、こんな細いフレームでもスゴかったんですよ当時は。こんな立っちゃってるカウルでもスゴかったんですって。
そういえば、タコメータが3,000rpmから始まってるのもレーシーな演出でした。
ガンマが出てからというものレーサーレプリカが大ブームとなり、みんな派手な革ツナギ着てヒザ擦るのが流行りました。
おれの友人の場合はスリムのブラックジーンズに破れたシャツ、南京錠を首にぶらさげたベタなパンクファッションで乗ってましたが。それはそれでバカっぽくてカッコよかったです。
彼はまだ南京錠首に下げてるのかなぁ、「カギは捨てた」って言ってたけど。
みんなで街ん中 (マジで街ん中、ファッションビルの真ん前で)、地ベタに座って海苔ゴハン (ホカ弁屋で「海苔弁当のオカズ抜き」で注文可能だった) 食べたなぁ。
今の若者がどこでも地ベタに座ってるようですが、なんか、おれ達がハシリだったような気もする。
RG250γ、1983年3月発売。45ps/8,500rpm、460,000円。