Road To Nowhere
2008-07-01 23:21
V1000を知らない人がいた場合、「知らないのはジョン・ブリッテンに失礼だ、オタマジャクシみたいなカタチで、センス悪い配色のレーサーだよ」と、どちらが故ブリッテン氏に失礼なのかわからない説明をしてしまうおれなのですが。
ま、色についてはニュージーランドの国旗をイメージしたものなんでしょうね。

このバイクもかなり特殊。
elf-eのように、フレームがありません。
フロントのサスペンションやカウル等を支持するために、エンジン上部にはカーボン製のマウントを取り付け、スイングアームはエンジンに直接取り付けられています。
車体のほとんど全て、エンジンまでもが手作り。設計から製作、外装もジョン・ブリッテンが一人で行ったそうです。
‘88年6月から開発が始まり’89年3月には完成し、デイトナBOTTなどに参戦したVツインのレーサーです。

「BIKERS STATION 1992年10月号」にジョン・ブリッテンとV1000の記事があります。
V1000のエンジンは水冷Vツインです。「パワーを得るための水冷化。これは車体の重量配分をよくするためにエンジンを小型化するのにも役立つ。空冷ではドライサンプのタンクを含めて、シリンダーフィンのスペースなども必要である。ハンドリング向上にはエンジンを前方に追い込むことが必要。」
また、彼は「一人で作ったからこそ良いものができた」と語っています。
「メーカーのように細かなところまで別々の人がやっていたのでは、すべてを組み合わせたときに、うまく合うハズがない。各設計者が、自分のパートをいちばん大切に考え、それができない場合、すこしずつ妥協する。」
「One Man’s Dream」という製作記録の映像があって、製作風景を観るとスゴい設備があるわけでなく、外装のモックも手でシコシコ削ったりしてました。カーボン繊維にも手作業で樹脂を塗ってたり。
ならばエンジンは無理にしても、おれにもフレーム (的なもの) くらいは作れるんじゃねーか? なんて思ったり。
作ったら、誰かテストライダーやらないっすかね? 不安ですか、いや、V1000の試走でも、フロントが根元からポッキリ折れてた映像がありましたから。1回くらいは覚悟してもらえれば。
ジョン・ブリッテン、おれはなぜかトーキング・ヘッズのデビッド・バーンとイメージがカブるんです。
チューナー、ビルダーとしては珍しい (偏見ですか?) 押しの強くない風貌、でも中身はちょっと変わってる (実験的なものを好むというか)、そんな雰囲気が。
1995年、45歳で彼は病気で亡くなったのですが、早過ぎました。ジョン・ブリッテンの進む道をもっと見ていたかったです。
