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‘FRP’ カテゴリーのアーカイブ

Fishnet Stockings

2010-03-01 00:52

SRサイドカバーひとりでバタバタやってるとイッパイイッパイです。
サイトも充実させねば、と思いつつ放置してました。
おかげさまでカスタム屋としてはパラパラとワンオフのご依頼等いただくようになりました。
お客様のご要望に応えるワンオフがやりたい、と独立したわけなので、幸せではありますが。
量産オリジナル製品を充実させる時間がとれないというジレンマもあったり。
難しいですね。

とりあえずお客様の依頼で製作したもの (本来の意味でカスタムですね)、それをまとめた紹介ページを作ろうかなぁ、と写真をあさっていたら出てきたのがコレ。去年の夏頃か。

あくまでも自分の好みにバイクを飾りたい、でも好みのパーツが売ってないし…そんなトキお手伝いをするのがカスタム屋かなと。
カスタムと言っても大がかりなものでは無いけれど、カネをかけるのはカスタムの本質じゃない。
とりあえずなんでも相談してみてよ的なサンプルとしてSRのサイドカバーです。

「ノーマルのサイドカバー形状は基本的に好きなのだけど、しかしくり抜いてアミを張りたい」というので作ったヤツ。

SRサイドカバー
ま、穴あけて裏からアミを適当に貼り付けちゃえばいいんですが。DIYでも楽しめそうなカスタム。
しかしくり抜いたサイドカバーをワクにしてアミを張っただけじゃ、アミがそのうちベコベコになって残念になる気が。
なので、FRPをノーマルサイドカバー裏側に積層し、外して作ったものがコレ。
ABSは油断してるとFRP樹脂で溶けちゃうしくっついちゃうから、積層したFRPを綺麗に外すのも実はテクニック。

SRサイドカバー
で、アミを切って。
アミもいろんな種類があるのな。いくつかサンプル用意してお客さんが選んだのはコレでした。

SRサイドカバー
サイドカバー、ノーマルをくり抜く。
意外とくり抜くのもアマチュアには難しかったりするようです。
プロ用ツールで一気に削れるけど、上手くやらないと溶けてグチャグチャしちゃうし。
綺麗に切断面を仕上げるのも大人のテクニック。

SRサイドカバー
くり抜いたサイドカバー裏側に、切ったアミを置いて…。

SRサイドカバー
FRPのパーツをのせます。

SRサイドカバー
側面からネジでサイドカバーとFRPパーツが固定できます。
アミははさんであるだけ。なので、違うアミを買って来て切れば、いろんなアミが楽しめるという。
アミの面も、イイ感じに曲面が出て綺麗だし。どうすか?

Molded Plastic

2009-06-25 19:14


製品の素材として、ウチではメインで扱っているFRP。
オリジナル製品だけではなく、他社製品の加工なども行っています。
FRPは補修や加工も容易に行えるのがメリットのひとつです。

最近ミニバイクでのサーキット走行にハマってしまった、ご近所のお客様。
とうとうトランポまで購入されてしまったようです (笑)。うーむ、ウチでさえバイクを運べるクルマが無いと言うのに…うらやましい (あいかわらず2シーターオープンに乗ってるので、大きな荷物を運ぶトキは屋根開けて無理矢理。梅雨の時期はツライ…)。

で、これはNSF100の社外テールカウル。
長身の方なので、ノーマルではポジションが窮屈で購入されたとのこと。
FRP製ですがしかし、軽量化を優先しているのか全体に薄いために走行時の切り返しなどで「グニャグニャしてしまい、身体が落ち着かない」らしい。
座面にある取り付けボルト穴周辺にもストレスがかかっているようで表面にはクラックも発生し、このまま使用するのはどうなのかと持ち込まれました。

全体に面構成が複雑な形状で、それがリブとなり薄いながらもしっかりしているテールカウルではあったのですが、座面はフラットでノーマルに比べ広くなったため、そこにストレスが集中するようです。
座面を中心にFRPを新たに積層し補強しました。
車体に取り付ける部分のゴムグロメットはノーマルを流用するものでしたが、けっこう柔らかいタイプ。ウチで在庫しているカタめのゴムグロメットを使用すれば、さらにしっかり感は増すはず。
クラックは表面のゲルコート層のみでしたので、とりあえず今回は本体の補強だけ。いずれ塗装するときに補修しましょう。

「レーサーだし、裏側の見えないところだから見た目は気にしない」とのこと、ザックリとした加工だったので、お預かりしたのは数日。装着し早速サーキット走行されたようです。
結果、不快なフニャフニャ感が無くなり目標タイムが出たらしいです。
加工自体は速さには直接関係無いだろうけど、直接身体に触れる部分だから不安要素が無くなりライディングに集中できるようになったのかな。


こちらはXR1200のアンダーカウル。
海外から取り寄せたもので塗装依頼です。しかしFRP製品はモノによっては変形収縮が激しいことがあります。塗装した後に「車体に着かない…」じゃ残念なので、「まずは車体に装着できるか確認し送ってください」とお願いしました。こちらは遠方のお客様です。


で、若干の修正が必要となり。
車体干渉部分のカット範囲や穴位置の変更をマスキングテープを貼って指示され、ウチに到着。
穴位置の変更は、元の穴を中心に裏側をすり鉢状に削り新たにFRPを積層。干渉部分はカットし仕上げます。
指示された修正は終了したので、これから塗装行程に入ります。塗装の塗り分けはメールに画像を添付し、お客様と打ち合わせを進めています、便利な時代になったなぁ。


他社FRP製品を見るのは、同じFRPを扱っているショップとして勉強になる事も多いです。
FRPには一部粗悪な製品もあって、ボルトオンとはいえすんなり装着できないパーツもあったりします。
ご自身で加工できない場合、修正も可能です、お気軽にお持ち込み下さい。

Sittin’ On It All The Time

2008-12-29 01:07

XR1200シート

前々回に報告した楽しい事「XR1200のタンデムシートベース」はどうなったかというと。
実は、とっくにできちゃってるんですよ。12月20日に最初の製品が脱型してます。
12月1日から造形を始めたので、コレは早い。しかし2週間くらいでイケる、と思ってたんだけど3週間か。まあ今回は車体を預からなかったので、常に車体とのクリアランス確認ができなかった事を考えればこんなもんか。

しかしXRのオーナーは、必要になれば車体を持って来てくれたり、テールカウルも外して持って来てくれたり、家が近い事もあってスグに対応してくれたので非常にスムーズに進行できました。感謝です。
左奥から手前に、原型、生産用の型、製品です。

XR1200テール
造形材料としてパテやFRPを使う場合、収縮や変形は最も気をつけなければならないところ。硬化時間を長くとった方が収縮変形は少なくなるようです。
作業が早くても、完成したものが車体に取り付けできなかったら意味が無い。ボルトオンパーツを作る場合はシビアです。じっくり作業するのも重要な事なのだけど。

生き急いでいるおれなので「年内にカタつけたるわ」と、大人のテクニックとキャリアでなんとかしてみました。
変形するなら取り付けや最終的な仕上がりに影響の無い部分を変形させる方向で、それを見越した形状を作る作戦。もちろんFRPの積層作業は適正な樹脂量で均一な厚み、という地味な基本もおさえてます。
ドキドキの最終確認、車体に装着したら。

ほら。テールカウルとシートベース間のクリアランスが、シート表皮を貼る隙間を残し絶妙。
あとはシート屋さんに持ち込み、スポンジ盛って表皮張るだけっすよ。

しかし、アテにしていたシート屋さんからは「今忙しくて、年が明けてもいつできるかわからない」などと言われ、XRオーナーと困惑…。で、連日XRオーナーと作戦会議 (も含めた世間話)。

ドクスタイル之印
そんな中、XRオーナーが「お店のハンコってあるんですか?」と。
ああ、もちろんありますよ、ほら。

このXRオーナーも経営者であるので「傷んだハンコを作り直そうと思ってる」という、そんな話だったのだけど。
ウチのハンコを見て「意外ですね、アルファベットじゃなくてカタカナなんだ」
うん、やはりこういうのはきちんと読めるかが大切だし。

話の中で、ふと思ったのです。
カッコ良さにはこだわるべきだけど、用途によってはもっと優先するべきものがあるのではないかと。
今回のシートの場合、あくまでもタンデムする奥様のために座り心地が優先。
「見た目のカッコ良さが重要」なんてのは、ウチみたいな外装カスタム屋のワガママでしかないですよね。

見た目をカッコ良く張れるシート屋さんて少ないよな、と、ずっと思ってましたが。
きっとシート屋さんは座り心地を最優先で作ってるんだろう。乗り手もそれを重視してるんだろう。当然だよな、シートって座ってナンボだし。

それでも、仕上げ処理が雑なシート屋さんを多く見て来たこともあって、シート屋さんというものを信用してなかった部分もありました。

XR1200タンデムシート
まあ、このままシートベースを放置しておくのもアレだし、XRオーナーと協議の結果、あるシート屋さんに依頼する事に決定。そこのシートは写真で見る限り、なんかポッテリしててヌルい感じだったので、どうなのかなぁと思ってました。
しかし偶然先週、知人のショップに行ったときに「そこで張ってもらった」というシートを見たのだけど、現物は悪くありませんでした。仕上げも丁寧でした。

早速そのシート屋さんに問い合わせてみました、そしてオッケーとの返事。
あとはシート屋さんにお任せ、というのも無責任なので、年が明けたらXRオーナーと2人でシート屋さんへ打ち合わせに行ってきます。

ノーマルのタンデムシートが「とりあえず」な感じの中途半端なものですよね。アリかナシかハッキリしろよ、みたいな。
ウチのタンデムシートは、良い意味で存在感「アリ」なものになると思います。
XRオーナーの協力で、現在「ナシ」な製品も製作を進めているのですが、それはまた今度。

Leather Boots

2008-07-29 20:48

CHIPPEWAエンジニアブーツといえば、やはりレッドウイングが王道ですが、おれは20年前からずっとチペワ。
昔は安かったんだけど、いつの間にか高くなってる。今、普段履いてるのは2足め。初代のヤツは作業用になっちゃいましたが、FRP作業なんてやってると一気に汚れちゃいますねぇ…。

FRPでの外装カスタムやワンオフ製作について、価格がわからないのが不安でやる人が少ないのかなぁ、なんて思ったりするんですが。
FRPは材料としては安価なものです。しかしその作業の手間が非常にかかるため、代金のほとんどは作業代なわけです。なので、大きなメーカーなんかは人件費の安い国で量産FRPパーツを生産しています。

ならば、経験と技術で作業時間を短縮し、自社で製作を行えばオッケーでしょう。高い技術を安く売る事は可能じゃないかと思うわけです。
ウチの場合、作業代は一般的な整備時間工賃に準じたくらいです。
製作前には作業の内容と手順を、アメリカンジョーク (不評) を交えながら説明し、おおよその見積もりを出します。
面白そうなことなら「好きでやってるんだし儲からなくてもいいかぁ…」なんて危険なことも考えがちです。いかんいかん。

まずは得体のしれない「FRP」という素材、どういうものなのか見に来てみてください。
差し入れにビールなんかがあったりすると、危険思想に走りがちです。いかんいかん。

Birth Of Gel

2008-07-03 09:07

エイプ ビキニカウルホンダ エイプ用ビキニカウルです。
できたてです。

FRPという素材はプラスチックだという事は理解されてても、イマイチ謎な素材なようです。一般的には。
ガラス繊維の入ったプラスチックのことです、Fiber Reinforced Plastic。
日本語だと「繊維強化プラスチック」ですか。
身近なFRPといえば、ユニットバスとか。形状の自由度が高く、軽量で強度もあり耐蝕性が高い、補修も可能というのがFRPのメリットです。

大きな設備不要で量産品ができるのも、メーカー的にはメリットです。まあ、量産品をやろうとすると、それなりに手間と技術が必要になりますが。

バイクパーツの場合、まずは実物大の原型を作ることから始まります。
手作業で削り出し、表面を滑らかにし、原型を完成させます。

次は、原型からFRPで型をとります。型をとるための専用のFRP樹脂があります。
原型から型を外すと、原型の形状が反転されているわけです。きちんと外れるように、原型には離型処理を施します、くっついちゃったら外れなくなって原型もダメになります。

完成した型にFRPを積層して外したものが製品になります。
離型処理した型に、まずはゲルコートという着色樹脂を塗ります。ドロドロした液状のもので、硬化剤を入れた後吹き付けます、油断してると塗装ガンの中で固まってしまいます。
ゲルコートにはガラス繊維は入っていません。これで製品表面が滑らかに仕上がります。
型に塗ったゲルコートが固まった後、ガラス繊維を積層していきます。刷毛で樹脂を塗り、ガラス繊維に染み込ませてやります。均一な厚みになるように、適正な樹脂の量で積層するのが大人のテクニックです。

固まったものを型から外したものが製品です。外したままではフチの部分がガビガビしてるので、切り取ってサンドペーパーでならして仕上げます。

このエイプのビキニカウルは、白のゲルコートに専用の着色剤を加えて、エイプの純正色「クラシカルホワイト」になっています。
うすいベージュっぽい色なんですが…あ…なんかユニットバスっぽい…。

え? 開発コードネームですか? これの。
まだ覚えてましたか、そんなこと。つか、本気にしてましたか。
じゃ、これは「的場先生」で。製品が完成してから開発コードネームつけるのも、どうなんだろう。

I Love Rock ‘n’ Roll

2008-06-29 17:27

パテパテです。
塗装前の製品表面のキズを埋めたり面を修正したり、原型を作る材料にも使います。
硬化剤を混ぜて使いますが、いいかげん暑くなってきたこの季節だと、油断してると勝手に固まってるのでイラっとします。

ウチでは塗料もロックペイントのものを使っていますが、パテもロック。
なぜなら名前が良いから (デビルビスに続いて、またそれですか)。

しかし、ちょっと気合いが足りないので (おれに無断で固まったりするヤツなので)、缶に魂を入れてみようかと。


パテ
魂、注入後。
ストーンズとラモーンズの魂を入れてみました。

I Love Rock ‘n’ Roll。ランナウェイズ時代から男前だったジョーン・ジェット姉さんの、あまりに直球な曲名ですが。
‘81年の大ヒット曲です。おれがバイクに興味持って、ロックンロールにもやられちゃった時期です。

近所のガソリンスタンドのお兄さんと世間話してて「41歳には見えないっすね」と言われました。
おれの場合、いつもチャラチャラした格好をしているのでよく言われるのですが、その度に「苦労してないっすから」と答えています。
でもたぶん、昔から中身が変わってない、ってのは大きいんじゃないかなぁ。それが良い事かどうかはともかく。
あいかわらずバイクとロックンロールを愛しています。

THE AIR

2008-06-10 18:46

SPのベルトサンダー無人島にひとつだけエアツールを持って行くなら、と聞かれたら迷わず答えます。ベルトサンダー。
コンプレッサーが無いと使えませんけどね。

FRPを仕上げるのに使う道具です。エアホースに接続しトリガーを引くと、輪になったベルト状のサンドペーパーが「ヒュイーン」と回転する素敵な工具です。
ベルト部分とグリップ部分の角度も変える事ができて、外観の変化も楽しめる素晴らしい工具です。

いろんなメーカーから出てるメジャーな工具ですが、本体が塗装されてるものは少ないようです。どうせキズ付くし汚れるんだけど、あえてオレンジのものを選んでみました。SP AIRのやつ。
もう2年くらい使ってるのか。先端ローラーのベアリングが粉砕したくらいで (まあココは消耗部品だから)、今も絶好調でヒュンヒュン回ってます。マメな給油は必要です。

買ったとき、カッコイイだろう、と美人秘書 (若い頃は斉藤由貴似) に見せたら「あからさまに重機の色だ」と言われました…。
ぜんっぜん違うぞ、ハーレーのワークスカラーじゃん!

M.I.A.

2008-05-31 19:13

「FRPに使う道具はボウルや計量はかりや裁ちバサミとか、家庭的でカッコよくない」と書いたら、
「バカやろうFRPは命知らずな男の世界だ」と全国のFRP職人さんからクレームが来ました。
命知らず、うむ、実際身体に良さそうじゃないですよねFRP…。

そこでFRPに使うもので、なんかカッコイイものは無いかと探してみました、これなんてどうですか。
その名も「PVA」。ハイテクな感じがプンプンしませんか。名前的に。
このいかにも薬品なところも、知的な香りがプンプン匂います。
あ、おれの身体から溶剤のニオイがプンプンするのは、ほっといてください。

PVAは、FRPを扱う者なら必ず使う離型剤の一種です。原型と型、型と製品がくっつかないようにするため、塗布して使用します。離型剤にもいろんな種類がありますが、絶対に失敗できないというトキ、確実な離型を約束してくれるのがこのPVAなのですすげぇぞPVA。

PVAというのは略称で、正しくは「PUNK VIOLENCE ANARCHY」。おお、なんてロックンロールな。
うそです。「polyvinyl alcohol」です。

えーと。実は洗濯糊なんかもPVAだったりします。やっぱり家庭的じゃん…。
えーと。タイトルは語感が似てるから、だけです。

I’m A Steady Rollin’ Man

2008-05-28 18:58

ローラー塗装に使う道具の次は、FRPに使う道具ですが。塗装ガンに比べ地味ですね…。
FRPの作業っていうのは、布状のガラス繊維に刷毛で液体の樹脂を塗って、気泡を抜いたり均一にするためにローラーをコロコロ転がす。そういった感じです。

右手にこれらを持ち、左手には樹脂を入れた柄付きのボウル、というのが作業スタイル。
柄付きのボウルは100円ショップに売ってるPP製のやつです、PPはFRP樹脂がくっつかないし溶剤にも強いです。
なかなか使えるな、100円ショップのボウル。難点は、余計な気を使ってザルまでセットで売ってること。
「いや、ザルは要らないから、むしろ50円にしてください」とお願いしてもダメです。
使えねーな、100円ショップ。そんなワケで、ウチにはザルがゴロゴロ転がってます。

他に使うものといえば、樹脂の量を計るためのキッチンはかり、とか、ガラス繊維を切るための裁ちバサミ、とか。
なかなか家庭的な風情です。
メカニックがスパナ片手にポーズ、溶接職人がトーチ構えて、みたいなカッコよさが無いですよ。
ほんま、この地味さはブルーズを感じさせます。コロコロコロコロ。
このブログの記事タイトルは、いろんなジャンルの曲名からとってますが、そんなワケで今回はRobert Johnsonなのです。